2015.09.15
インターネットを介して、電子書籍、音楽、広告の配信、クラウド上のサービスなどの役務提供を受ける場合、国内事業者から提供を受ける場合は消費税が課税され、一方、国外事業者から提供を受ける場合は消費税が課税されず、国内外での取引環境は不公平なものとなっていました。今回、国外事業者から提供を受ける場合も消費税を課税するよう見直しが行われます。
消費税は国内で行う取引に対して課税され、国内取引に該当するかどうか判定基準が設けられています。今回、インターネットを介した一定の取引「電気通信利用役務の提供」について判定基準の見直しが行われ、国内取引に該当するかどうかの判断基準は、役務の提供者の役務提供に係る事務所等の所在地から役務提供を受ける者の住所等に改正されます。これにより国内事業者が「電気通信利用役務の提供」を受ける場合、消費税の課税は次表のようになります。
役務の提供者 | 消費税の課税 | |
---|---|---|
改正前 | 改正後 | |
国内事業者 | 国内取引:課税 | 国内取引:課税 |
国外事業者 | 国外取引:不課税 | 国内取引:課税 |
「電気通信利用役務の提供」とは、インタ-ネット等を介して行われる電子書籍、音楽、ソフトウエア等の配信のほか、ネット広告の配信やクラウドサービスの提供、電話や電子メールなどを通じたコンサルタントなどが該当します。
なお、通信そのものやインターネット等を介する行為が他の資産の譲渡等に付随して行われるものは除かれます。
○ インターネット等を通じて行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウエア (ゲームなどの様々なアプリケーションを含む)の配信 ○ 顧客に、クラウド上のソフトウェアやデータベースを利用させるサービス ○ 顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス ○ インターネット等を通じた広告の配信・掲載 ○ インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス (商品の掲載料金等) ○ インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス ○ インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営 する事業者から掲載料等を徴するもの) ○ インターネットを介して行う英会話教室 |
○ 電話、FAX、電報、データ伝送、インターネット回線の利用など、他者間の情報伝達を 単に媒介するもの(いわゆる通信) ○ ソフトウエアの制作等 ○ 国外に所在する資産の管理・運用等(ネットバンキングも含まれます。) ○ 国外事業者に依頼する情報の収集・分析等 ○ 国外の法務専門家等が行う国外での訴訟遂行等 |
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供については、①「事業者向け電気通信利用役務の提供」と② ①以外のもの「消費者向け電気通信利用役務の提供」とに区分されることとなり、それぞれ、次表のとおり課税方式が改正されます。
内容 | ・性質や取引条件等から役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの |
課税方式 | リバースチャージ方式 ○役務を提供した国外事業者 ・納税義務の対象から除外 ○役務の提供を受けた国内事業者 ・申告納税義務あり ・国内において国外事業者から受けた事業者向け電気通信役務の提供 ⇒「特定課税仕入」として申告 ・課税標準額 - 特定課税仕入分を加算 ・仕入税額控除 - 特定課税仕入分を加算 ・当分の間は、一般課税で課税売上割合が95%未満のみ適用 |
内容 | ・広く消費者を対象に提供されている電子書籍・音楽・映像の配信等 |
課税方式 | 国外事業者申告納税方式 ○役務を提供した国外事業者 ・日本の税務署に申告納税 ○役務の提供を受けた国内事業者 ・当分の間、仕入税額控除不可 ・役務提供した国外事業者が登録国外事業者の場合 → 仕入税額控除可 (登録番号等の記載がある請求書等の保存要件あり) ※登録国外事業者 国税庁長官の登録を受けた事業者、国税庁のホームページで確認可 |
上記の改正は、平成27年10月1日以後の取引から適用されます。
又、登録国外事業者の登録申請は、平成27年7月1日から行うことができます。
お気軽にお問い合わせください
お電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら
0422-29-7012
受付時間:9:00~17:00(土日祝祭日を除く)
※時間外のご相談にも対応しておりますので、
事前にご予約ください。
大変申し訳ございませんが、現在、新規でのご相談等の受付は定員に達したため締め切らせていただいております。
0422-29-7012
<受付時間>
平日 9:00〜17:00
※ご相談は事前予約制です。
※メールでのお問い合わせは
24時間受付しております。
お気軽にご連絡ください。